WWDC 2010にみる、アップルの戦略の変化

ずいぶんと遅い報告となりますが、先月アップルの開発者会議「WWDC」に参加してきました。

wwdc

すでに報道されているとおり、Steve Jobsの基調講演で発表されたのは「iPhone 4」のみ。Macや噂されたApple TVなどには全く触れられませんでした。
それだけ、iPhoneが今のAppleにとってより重要な存在になったことの証明でしょうか。

そのiPhone 4については、いつもの獲得協奏曲に乗り遅れ、今週になってやっと入手しましたので、そのインプレションは後日また書きたいと思います。

さて、私がWWDCで感じたことの一つは、Appleの基本「戦略」の変化です。
これまで「デジタルハブ」を戦略として、Macを中心とした製品戦略を推進してきたAppleですが、どうやら完全に方向転換したように思います。

そのヒントは、iBooksの機能強化にありました。
新バージョンとなったiBooksは、ブックマーク機能とハイライト機能、そしてメモ機能が追加されています。これらは、今まで無かったの?という程度の機能ですが、注目すべきは、それらのデータが各デバイス間で同期することが可能になったことです。

iBooksは今回からiPhoneでも利用できようになったので、購入した電子ブックをiPadで読んでもiPhoneで読んでも状態を同期させようというもの。

で、その同期ですが、「iTunesのアカウントで同期される」という点に注目です。
これまで、Appleは同期と言えばiSyncつまり、MobileMe(その前身の.Macから)を使ったサービスを提供してきました。

MobileMeは年間1万円ほど取られる有料のサービスで、さすがのMac信者の間でもその割高感のため、更新を躊躇する内容です。なので、Macユーザーをしても加入率はそう高くないと思われますので、同期サービスを使っているiPhoneユーザーは少なかったのではないでしょうか。

で、今回のiBooksデータの同期は、MobileMeではなくiTunesで行われる。
つまり、音楽から始まったコンテンツ販売のiTunes Storeアカウントがあれば、そのコンテンツデータだけでなく、それらに付随する様々な情報を同期することが可能になったのです。
であれば、音楽などコンテンツデータそのものもOver The Air(OTA)で同期されるようになっても不思議ではありません。それはつまりクラウドを中心に置いたシンク環境です。

噂されている、サンタクララに建設中の巨大データセンターがそのクラウド機能を提供すると言われていますが、このiBooksの同期機能でその信憑性が増してきたように思います。

iPadを入手された方は感じられていると思いますが、唯一の弱点が「母艦となるMac/PCが必要なこと」です。例えば、その操作の簡単さから田舎の両親にプレゼントしたい、というような声を聞きますが、その場合、この母艦が必要な点が少々ネックになります。iPhoneでも、OSのバージョンアップには母艦が必要ですが、Androidは母艦不要。

もし、AppleがデジタルハブとしてのMacを不要にするクラウド戦略に舵を切るなら、母艦レスのiPadそしてiPhoneが登場するのもそんなに遠いことではなさそうです。

それから、もう一つは「広告」についてです。
長くなってきたので、それはまた機会を改めて書きたいと思います。

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