iBook Authorの衝撃

またもやAppleから凄い製品が出てきた。

1月19日にAppleが発表した「iBook Author」だ。
電子教科書作成ツールとして発表されているが、90年代に「マルチメディア」に携わった人間にとって感涙モノのオーサリングソフトに仕上がっている。

基本的にテキスト主体の電子書籍を作成するツールだが、画像や動画を柔軟に配置することができるので、まさにマルチメディアのオーサリングが可能だ。(残念ながらBGMを鳴らすことはできない模様)

UIはAppleのPagesというよりKeynoteに近い。Keynoteに慣れたユーザーなら何の抵抗もなく使いこなせるだろう。
ちょっとややこしい話だがiBook AuthorにはKeynoteのスライドも埋め込める。

拡張子「.ibook」ファイルの中身はEPUB2ベースのようだが、Appleの独自拡張が含まれている。(つまりiBooks以外では表示できない)恐らく、上記のKeynoteファイルのサポートなどApple固有の機能をサポートするためだろう。
PDFでも出力できるが、フッターに「iBook Author」と入る固定書式のため、校正などの目的にしか使えないだろう。

入力には、Wordのファイルがサポートされているが、EPUBは読み込めない。
動画はmp4のみのようだ。QuickTimeで普通にエンコードするとデータサイズが大きくなるので、調子に乗って動画をどんどん追加していると、とんでもないサイズの教科書データになってしまうので要注意。(実際、先行してiBookstoreに掲載されているTextbookは1GBくらいある)

面白いのは「ウィジェット」(Widget)と呼ばれるJavaScriptベースのパーツを埋め込めること。スライドショーやクイズなども用意されているが独自のパーツも埋め込める。
つまり電子書籍を装いながらアプリ的なコンテンツを開発できることになる。
使っていると、なんとなくOpenDocを思い出す。(笑)

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iBooks 2とiBook Authorの組み合わせが凄いのはそのワークフローの簡単さだ。原稿と素材があればそれこそ数分でレイアウトを完成させiBookstoreに公開してしまうことができるのだ。もちろん販売することも可能。(現状では電子教科書として販売価格が$14.99以下と発表されているが、いずれ一般書籍としても販売できるようになると思われる)

問題は、日本ではiBookstoreそのものがオープンしていないことで、それが残念でならない。(執筆時点でApple JapanのサイトにはiBook Authorの製品情報すら掲載されていない。)

個人的な感想を言えば、久しぶりに相当ワクワクしている。iBook Authorを使っていると楽しくて時間を忘れるほど。
この感覚は、最近のツールにはなかったものでWebオーサリングが可能になった頃を思い出させる。製品で言えば、DreamweaverではなくPageMill。

電子書籍ツールと言えばInDesignだが、高機能化してしまったInDesignは素人が使うことを拒否しているアプリでとても気楽に使える代物ではない。(値段も気軽ではない)
iBook Authorは昔のPageMakerの気楽さと楽しさがあるし、何より「無料」だ。

iBook Authorはもちろん日本語をサポートしているが、縦書きはない。当然、ルビもサポートされない。
これをもって「ああ、使えない!」と嘆く出版関係者は多いだろうが、横書きでも十分なコンテンツは多いはずだから、iBook Authorで開発されたiBookコンテンツが大量に作成されるのは間違いない。

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